どうしたんだろ?
櫂くんメチャクチャ顔色が悪かったような…。
大丈夫かな?
「あたしなんかヤバい事言っちゃったかな‥」
千夏が反省している。
本当にイケメンの前だとすぐ調子に乗るんだから!!
「櫂の前ではサッカーの話はタブーかな‥。あと恋愛話も微妙に」
勇馬くんが困った顔をする。
「でもなんで才能があるのに上を目指さないの?」
あたしは不思議だった。
うちの大学には一応サッカー部はあるけど、そんなに強くないし、有名でもない。
いたって普通の部活だから、きっと櫂くんには退屈だと思う。
「目指さないっていうか、目指せないっていうか…アイツには色々あったからさ」
それ!!
あたしはそれが聞きたいの!!
なんで櫂くんがあんな冷たい目をしてるのか…
「ねぇー勇馬くん、その色々っていうの聞かせてほしいな?」
あたしはちょっと甘えん坊な口調で聞いてみたりした。