【蘭】

うぅ……。

部屋に入って椅子に座ったのは良いけど、正宗の視線が凄い怖い。

何でここに居るとか、思っているよね。

チラッと涼介さんの方を見ると、涼介さんは軽く微笑んでいた。

何で笑っていたのか分からなかったけど、口パクで『頑張って』と言ってくれた。

「それでは、名前と歳を言ってください」

「星美夜蘭、十六歳です」

質問するのは正宗だった。

寄りにも寄って正宗だなんて最悪だ。

ても、負けてたまるか。

正宗がどんな質問をしてこようとも、全て答えてみせる。

「では、始めに……。COSMOSのデビュー曲は何か分かりますか?」

「えっ?」

COSMOSのデビュー曲といえば、前に私が聞いた曲で知っているけど。

もしかして、私がどれだけCOSMOSについて知ったか試す気ね。

「はい、僕たちのコスモスです」

「正解だ」

COSMOSの事なら、散々里音に教えられたから、大体のことは分かる。