その後はいつも通りの女達だったが、一人候補が決まっただけで、もう三人決めるのが難しくなった。

『次の人、百二十九番お願いします』

「は、はい」

次の女は、俺より身長が低く眼鏡をかけていた女だ。

緊張しているせいか、足運びがガクガクしている。

「わっ!」

あっ、転んだ。

自分の足と足を絡めて転び、かけていた眼鏡が女の近くに落ちる。

「あの眼鏡ゆるいのかよ」

普通転んだだけで眼鏡なんて取れない。

「大丈夫っすか?」

次に質問する至流婆が女の所に駆け寄る。

「大丈夫です」

「……っ!」

その時、至流婆の様子がおかしい事に俺は気づいた。

「至流婆?」

名前を呼ぶが返事が帰ってこない。