「名前と歳を」

質問するのは、阿修羅だ。

「南雲優、十七歳」

この女、さっきまでの女達とは雰囲気が違う。

「南雲ね、今日は何でここに受けに来た?」

「つまらないから」

「えっ?」

南雲の答えに、俺たちは驚く。

「つまらないとは?」

しかし、阿修羅はいつもの冷静さで聞き返す。

「自分のいる世界がつまらないから、だからアイドルになれば、つまらなくはなると思った」

な、なんだこの女?

今までの女達とは大分印象が違う。

「ふーん」

いや「ふーん」って阿修羅。