「あーあ、かなめをエントリーさせるべきだった」

「はっ?」

「だってさ、かなめの奴歌上手いし、踊れて美人だし、これはもう完璧だぞ」

涼介、もし本当にかなめがエントリーしていたら、お前は絶対かなめ選ぶよな。

「それは、辞めておいた方が良いっすよ」

「何故だ?」

「だって、姫は美人っすから、あっという間に男たちのファンが出来るっすよ」

「なっ!」

至流婆の言葉に気づいた涼介は、小さく独り言を言い始めた。

「至流婆の言う通りか、かなめは美人だから男達のとりこだ。駄目だ!他の男たちにかなめは渡さないぞ!」

一途なのは良いが、かなめに呆れられるぞそのうち。

「休憩終わりまーす。みなさん準備して下さい」

「めんどくせ」

「それでは、百十一番の方お願いします」

部屋の中に入ってきたのは、涼介と同じくらいの身長の女だった。

女のくせに身長あるのかよ。

自分の身長のなささに腹が立つ。