私はすぐにそれを拾い、その子に眼鏡を届けた。

「あの、これ貴方の?」

「え?」

その子は、驚いた表情で私を見上げてきた。

「眼鏡落としたんでしょ?」

「は、はい!」

眼鏡を受け取ったその子は、眼鏡をかけると安心したのか、軽く息をはいた。

身長は私より少し低めだけど、里音と同じく可愛い子だと思った。

「あ、あの、ありがとうございます!」

「いいよ、困っている時はお互い様でしょ?」

「は、はい!実は人とぶつかった時に眼鏡を落としちゃって、眼鏡がないと何も見えなくて」

「そうなんだ。良かったねあって」

「は、はい。本当にありがとうございます」

その子は、深々と私に頭を下げた。

「だからお礼は良いって」

なんだか、恥ずかしくなってくるよ。