「えっと、何処にいったのかな?」

何かを探しているみたいだった。

だけど、人が多いせいで見つけられないみたい。

「ちょっと、何よあんた」

「す、すみません!!」

「あっ、人とぶつかった」

もしかして、視力悪いのかな?

「蘭?」

「里音、あの子何か探してるみたいだよ」

里音はその子の方へと視線を向けた。

「何あのちっさい子?」

「私行ってくる」

「は?って、ちょっと蘭!」

なんでかその子を放っとけなかった。

それにお母さんから困っている人が居たら、助けてあげるんだよって約束していたし。

私はその子の周りを見回して、何か落ちていないか確認した。

その時、すぐ私の足の近くで赤い眼鏡が落ちているのに気づいた。

「あっ!」

やっぱり眼鏡落としていたんだ。