蘭の事なんて、別にどうでもいいし。

でも、かなめの事をつかれたのは流石にやばかった。

俺は、女なんて好きにならないとか言ってるけど蘭の言うとおり俺は……。

かなめが好きだったのかもしれない。

だけど、涼介の恋人と知ってすぐに身を引いた。

かなめは、俺の姉さんに似ている所があるんだ。

今思うと好きな人じゃなくて、俺の姉さんみたいな人だと思っていたのかもしれない。

「正宗」

「えっ?」

すると、急に涼介が俺の髪をわしゃわしゃし始める。

「な、何だよ急に?!」

「別に」

「その笑顔きもい」

「酷くない?!」

こんな事を言う俺だけど、もしかしたら涼介は、俺がさっき考えていた事に気づいたのかもしれない。

もし涼介がかなめを幸せに出来なかったら、俺がかなめのそばに居る。

俺はこの時そう決めた。