「まぁ最後まで聞い下さい。みなさんが試験者に質問する内容は自由でいいですが、その試験者の答えをもとに、合格者をそれぞれ一人選んでもらいます」

「えー、つまんないっすよ」

「簡単すぎないか?」

涼介の言うとおり、簡単すぎる気もする。

「仕方ないですよ、社長からそう言われたんですから」

「あの社長がっすか?」

「そうですよ。今回は二百人近くの人がエントリーしているみたいで、歌を見たり踊りを見ていたら、一日じゃ終わらないというので」

「さっき楓さんが言ったことになったのか」

「そうです」

楓さんは深い溜め息をつく。

「とりあえず伝えましたよ。当日までにそれぞれ質問すること、考えてきてくださいね」

質問考えろって、女どもに質問する事なんかねぇし。