「正宗は、二人に対して心配しすぎだ」

「えっ?!」

「あー!またしゅっち人の心読んだっすね」

「読んでない」

いや、絶対読んだだろ。

この阿修羅は、たまに人の心を読んでくる。

俺も詳しくは知らないけど、前に本人が超能力って言ってた。

信じているわけじゃないけど、こういった行動を見せられると信じずにもいられない。

「みなさん揃ってるね」

「あっ、楓さん」

「何か用っすか?」

「用があるから来たんだろ……」

「もしかして……、オーディションのこと?」

「さすが、阿修羅さん」

オーディションについての打ち合わせか。

まっ、打ち合わせしたところで、俺は誰も指名しないけど。

「えっと、今回のオーディションは、それぞれみなさんが試験者に質問してもらいます」

「はっ?」

「何でっすか?」

オーディションって、歌ったり踊ったりするものだろ。