「絶対合格してみせるんだから!見てなさいよCOSMOS」

里音は青空に向かってそう叫んだ。

「ちょっ!里音誰かに聞かれたらどうするのよ!」

「大丈夫よ、ここの屋上なんて私たち以外は誰も来ないよ」

「確かにそうだけど」

その理由はもちろんある、その理由とは。

ここの屋上は、立入禁止なんですが、ある日里音が何処からかここ屋上の鍵を手に入れてきたらしく、こうしてしょっちゅう来てるんです。

先生に見つかった後が怖いけど、里音は先生に見つかってもお構いなしに来るだろうし。

私も里音みたいに物事をはっきりと言える人になりたいよ。

「それで里音、オーディションはいつなの?」

「え?それは来週の土曜日だけど」

来週の土曜日か、店長に言ってバイトの日ずらしてもらおう。

一応お兄ちゃんにも言っておいた方が良いよね?

それにお母さんにも。