「もしかして、今でも思っているとか?」

私がそう聞くと、正宗の頬が軽く赤くなった。

「そ、そんなわけないだろ!俺は女なんて好きにならない!」

「えっ?」

どういう意味なんだろ?

「女はみんな同じだ。壊れやすい存在で、脆くて弱い存在だ」

その時の正宗の表情は、とても寂しそうに見えた。

その姿に、私はなんて声をかけたらいいのか分からなかった。

「でも、あいつは特別なんだよ」

正宗は小さく呟いた。

特別って、どういう意味なんだろ?

正宗にとって先輩は、大切な人なの?

「まさ」

「正宗」

私が正宗の名前を呼ぼうとしたとき、先輩と声が重なってしまった。