私達が視線を向けた時、涼介さんは先輩を抱きしめていた。

その光景に、私の顔は思わず真っ赤になる。

「かなめ、受け入れたか」

「え?!何を?」

もしかして、別れ話を?!

「何考えているか知らないけど、涼介がかなめに話しているのは、一緒に暮らすことだ」

「そ、それはつまり同棲ですか」

「そう、それにあの二人婚約者同士だから、簡単には別れないよ」

こ、婚約者?!

それって、もう結婚が決まってるってことだよね。

「素敵だなぁ」

「仕事をしている涼介は、最優先にかなめの事を考えいる」

正宗は、あの二人のことよく知ってるんだ。

てことは、もしかしてーー

「もしかして、正宗はかなめ先輩のこと好きだったの?」

「はぁ?!」

図星を付かれたのか、正宗は声を上げた。