「わ、分かったよ」

「おおっ!ありがとう正宗」

「褒めても、何もでないからな」

涼介はきっと、かなめと二人きりになって話したいはずだ。

かなめも涼介に会うのは楽しみだと思うけど、仕事ほぼ放棄してまで会いに行くんだから、仕事のこと気にするんだろうな。

かなめらしいから、良いんだけど。

今日涼介は、かなめと曖昧な関係に蹴りをつけるはずだ。

それなら、あそこのお店が良いのは当たり前か。

あの店 シュムックケルプヒェンは、二人が出会った場所でもあるんだからな。

「急ぐぞ」

涼介は、更に車のスピードを上げていく。

「あんまり飛ばすなよ、警察に捕まるからな?」

「分かってるよ」

急ぐ理由は分からなくはないけど、この人会った時何から話すか迷ってるだろうな。

あらかじめ考えてはいるんだろうけど、全て真っ白に変わるな。