「あのさかなめ、涼介の電話無視してた?」

単刀直入にそう聞くと。

『あ……。無視してた訳じゃないんだけど、朝からスマホの電源切ってて気づかなかったのよ』

「そ、そうなんだ」

なんだよ、ただ電源切っていただけか。

「良かったな涼介、嫌われていなくて」

「あ、あぁ」

涼介は、安心しきった表情を浮かべた。

「ほら」

俺は、自分のスマホを涼介へと渡した。

「少し話したら?」

「あ、ありがとう正宗」

別にお礼なんて言われることしてない。

だけど、涼介からお礼を言われるのはやっぱり慣れない。

「もしもし、かなめか?」

『涼介?!仕事はどうしたの?』

「ちょっと、昨日のことが頭から離れなくて、やっぱりかなめに会うことに決めたんだ」

『大丈夫なの?だって今日は』

「仕事より、お前の方が大切だ」

この人、よくそんな恥ずかしいこと言えるよな。

ある意味尊敬するよ。