【正宗】

「もしもし、かなめ?」

『正宗、どうしたの?』

「やっぱり正宗だと出たか!」

涼介の言うことを無視して、俺は話を続ける。

「今どこに居る?」

『えっ?今は シュムックケルプヒェンに向かってるけど?』

「あのさ、今から会いに行きたいんだけど」

『えっ?!何でまた?』

「こっちの阿呆リーダーが、どうしても会いたいんだいたたたた!!!」

「誰が阿呆だって?」

りょ、涼介のやつ。

俺の頬を思いっきり抓りやがった。

『どうしたの?!』

「いや、何でもない」

今ならかなめにチクることはできるがやめておくか。

それに、涼介の奴まだ心配しているみたいだし、自分が本当に嫌われたかどうか。