「ん?」

その時何処からか歌声が聞こえてきた。

「歌声?」

けどその歌は、私の心の中へと入ってきて、私を和やか気持ちにしてくれた。

「もっと聞きたいな」

そう思って、歌声が聞こえてくる方へと向かって歩いて行く。

声が近くなってきた時、一人の人が草原で寝そべっているのが見えた。

「あっ!」

私はとっさに、近くにあった木の後ろへと隠れた。

私は、その草原に寝そべっている人を見て驚いく。

「正宗?」

正宗が寝そべっていて、青空を見上げながら歌っていた。

「なんで正宗が、ここに居るんだろ?」

それは気になる、だけど正宗の歌っている歌声が、どんどん私の中へと入ってくる。

「青空は、僕を見下ろして、僕に何かを伝えようとしている、だけどそれは分からない、考える事をやめて、悩む事をやめて、僕は青空に手紙を書くんだ、その日もきっと青空は広がっているはずだから」

素敵な歌詞だった。

歌はまだ途中だけど、歌を聞いていると私の中で嬉しい気持ちと、ちょっとだけ寂しい気持ちが、両方一緒に出てきた。

「正宗は、この曲にどんな気持ちを込めたんだろう?」

正宗は、空に向かって手を伸ばすと、手に力を込めて握った。

「正宗?」)

私は、正宗にバレないようにその場を離れた。

だって、声をかけられる雰囲気じゃなかったから。