「初めまして、貴方たちのコーチを担当するハンナよ」

その前に性別をはっきりしてください。

「ハンナさんは、男の方よ」

私の耳元で、美宇さんが小さな声で教えてくれた。

「もしかして、おかま……」

「いやむしろ、こっち系の人では」

「あんたたち聞こえてるわよ!」

男の人ってことは分かったけど、見るからにコーチって感じに見えない。

「たく、これだから若者は」

「良い?絶対ハンナさんを怒らせては駄目よ」

「え?」

「何でですか?」

「地獄を味わうからよ」

地獄を味合う?それは一体どういうこと。

「何をしているの貴方たち」

「え?」

「早く運動着に着替えて整列しなさい」

ハンナさんの鋭い目つきに、私達の体に鳥肌が立った。

「は、はい!!」

私たちは、急いで運動着へと着替えた。