【蘭】

ー翌日ー

昨日楓さんに言われた通り、私たちは事務所へと来ていた。

「もう無理っ!」

「喉カラカラ」

「ふぇぇぇ……」

「死にそう……」

何でこんなうめき声を出しているのかという理由は、数時間前に遡ります。

私たちはまず、周りが鏡で囲まれた部屋へと、美宇さんに案内されました。

「何これ!」

「す、凄い」

みんな興味津々で、あちこち見て回る。

「ここはよくCOSMOSのメンバーさんたちが使う部屋の一つです。この部屋でダンスの練習をしたり、自分たちがどんな感じに踊っているのか確かめているんです」

確かにこれだけの鏡があれば、左右後前全部自分の姿が見える。

「やっと来たわね」

「えっ?」

「今日は、よろしくお願いします」

すると、ドアの近くに一人の男?の人が、扉に寄りかかっていた。

「誰、あの男?か女みたいな人」

里音、聞こえる声で言っちゃ駄目なんじゃ。