「そういや、今日は蘭にキツく当たりすぎちまったな」

『お前に会いたくなかったし』

『お前に、アイドルなんて向いてないし、あり得ないんだよ』

今考えるとすげぇ酷いこと言ってたよな。

「あいつ、なんて思ったかな?」

でも、謝るなんて俺の性格に合わない。

歌詞が思い浮かばないという問題と、謝るか謝らないかという問題ができてしった。

「くっそ、一体どうすりゃ良いんだよ」

そんなの素直に謝れって、思うかもしれないが、俺は生まれてこの歳まで、謝った事なんて一度もない。

だから、何て言って謝れば良いのか分からない。

「なぁ姉さん、これは正直に謝れば良いのか?」

もうこの世に居ない姉さんに聞いても、返事なんて帰ってこないのにさ。

俺は、たまに姉さんに語りかける時がある。

だけど、あの日の出来事を思い出しそうになるだけで、気分が悪くなる。

だって、姉さんを殺したのは俺だから。