「じゃぁ、僕は先に失礼させてもらうよ」

「どこか行くのか?」

「かなめとデート」

涼介さんは、嬉しそうに言いながら部屋から出て行った。

「……はっ!りょ、涼介さん待ってください!今日ドラマの撮影あるんですよ」

楓さんは、涼介さんの後を追いかけて行った。

「楓さんも大変ですね」

「まぁ、りょっちはいつもの事っすからね」

そ、そうなんだ。

「私も帰ろっかな?」

一旦外へと出た私たちは、とりあえず別れることになり、私は帰り道をどうするか悩んでいた。

「うーん、電車に乗って帰った方がいいかな?」

うん、電車で帰ろう。

駅の方へと向かって歩き出し、ビルの中へと視線を向けた時、正宗の姿が目に留まった。

「正宗?」

カフェみたいなお店で、何か考えているように見えた。

「そっか、確か曲を考えているんだっけ?」

机の上には、沢山の紙が置かれていた。

正宗は、いつもどんな事を思いながら、曲を考えているのかな?