「角原里音、よろしく」

「相馬心愛です、よろしくお願いします」

「南雲優……、よろしく」

「星美夜蘭です、よ、よろしく」

「最後に COSMOSのマネージャーをしています、角原楓です」

楓さんは、里音をチラッと見た後、一度咳払いをした。

「そういえば楓さん、正宗は?」

「正宗さんですか?あの人なら“あれ”やってるんじゃないですか?」

「あれ?」

「みんなは知らなかったね」

涼介さんは、立ち上がると直ぐ側にあった棚の中から、CDを一枚取り出した。

「この曲全部、誰が作っていると思う?」 

「え?」

「涼介さんじゃないんですか?」

里音の言葉に、涼介さんは首を左右に振った。

「僕じゃないんだ。でも自分たちの持ち曲は、僕たちそれぞれが考えて作っているけど、全体の曲を作っているのは正宗なんだ」

「えええっ!!」

「そうなんだ」

「それで、今度正宗はシングル曲出すんだけど、まだ完成していないみたいなんだ」

「今書いてるっすよ」

全然知らなかった。

てか知らなくて当然か。

曲から感じる気持ちや想いは、正宗が曲一つ一つ違った事を入れているんだ。

「蘭ちゃんは、曲に込められた気持ちや想いに初めて気づいた人だ。正宗の奴、凄い嬉しそうだった」

「……っ!!」

顔が一気に熱くなる。

そうだ、今思えば曲を作っている本人に、あんな分け分かんなくて、恥ずかしい事を言ったんだ。