「こいつと縁ありすぎだろ」

蘭はケーキと紅茶を運んで来て、それを俺の目の前へと置いた。

「お前一人暮らしなのか?」

「え?何でそんなこと聞くの?」

「ここ誰か居る気配しないから」

「確かに、一人暮らしに見えるかもしれないけど、お母さんと暮らしてるよ」

「ふーん」

母さんと二人暮らしか。

「でも、今お母さん体壊して病院で入院中」

「え!?」

「だから、一人暮らしと殆ど変わらないんだ」

過労で体を壊すなんて、蘭の母さんは働き過ぎだ。

「でも珍しいね、正宗がそんな事聞いてくるなんて」

「た、たまたまだ」

俺はそう言い、紅茶を口に運ぶ。

一人で暮らすぐらいなら、兄さんの所で一緒に暮らせば良いのに。

蘭には、ちゃんと蘭の事を見てくれる家族が居るんだ。

俺の家族と違ってな。