「皆さんお疲れ様でーす」

時間はもう八時を過ぎようとしていた。

そして、数分前にやっとオーディション計二百名の面接が終わった。

「いやぁ、本当にお疲れ様でした。今日中に終わって良かった良かった」

「そうですね」

「すげぇ疲れたけど」

ことあとは、もちろん俺たちが一人一人指名していく。

「じゃぁ、まず涼介さんから」

「はい。楓さんには悪いですが、僕は角原里音さんを指名させてもらいます」

「な、なんでっ!」

やっぱり涼介あの女選んだか。

だってそうだよな。

面接の時、堂々と俺達を越えて一位になるって言い出すんだ。

「このオーディションを受けた理由はなんてすか?」

涼介がそう聞くと。

「もちろん、そんなの決まってるわよ! COSMOSを越えて一位に輝くこと」

とか言い出して、楓さんが何度止めに入ろうとしていたか。