でも、殆どのファンはその気持ちや思いには気づかない。

むしろ気づいた奴なんて一人も居なかった。

だけど、こいつは、蘭はその込められた気持ちや思いに気づいた。

「それで私は、もっと COSMOSの造る世界を見てみたいと思ったんです」

「そ、そうですか」

返す言葉が浮かばなかった。

「あと、歌を歌ってみんなを笑顔にできたら良いなと思いました」

笑顔に?

「そうですか、質問は以上だ」

「あ、ありがとうございました」

蘭は頭を下げると、部屋から出て行った。

蘭が出て行ったあと、俺はボーッとしていた。

「おーい、まっち?」

「っ!」

至流婆に呼ばれて我に返る。