side:ichito







仕事を終え、家で一服をしていた





一人暮らしの家には、彼女の美波がご飯を作ってくれていて、いつもなら会話くらいあるんだけど、今日の俺はどこか憂鬱だった






「壱斗?ぼんやりしてどうしたの?」





心配して、顔をのぞき込んでくる美波





「いや、大丈夫」





今日あいつ、、、今日ってか最近様子がおかしかったな






ご飯を食べながら話す美波の耳を傾けず俺の頭の中はあいつでいっぱいだった





柚空、、、






あの傷、、、あれはこけてなるような傷じゃない





あれから柚空は教室にも戻ってこなかった





今日に限って桜空達と話ができる場もなかったし、、、





「ちょっと壱斗聞いてる?」





不機嫌そうな美波に気づいたもののそれどころじゃない





「悪い。俺ちょっと出てくるわ。」




「えっ、ちょっと壱?!」





おれは美波を無理矢理帰し、急いで車に乗り込んだ