あたしは鞄を持って、長い廊下を歩いていた






「あ、桜空!ちょっと頼みが!」





この声は、吉田先生だ、、、
男の先生で歳は30後半だったっけな?




ってか、、、




「桜空じゃなくて柚空だし」





「あ、悪い!柚空でもいーや!
あのさ!「お断りー」




あたしは吉田先生の言葉をさえぎり、その後の吉田先生の言葉も聞かずに立ち去った







いい加減覚えてよ





まーこんなこと良くある話か


親戚ですら、見分けつかないこともあるし







慣れっこのあたしはそこまで気にせず歩いていた






ガラっ






職員室の前に立つと急にドアが空いたから見たらそこには森岡先生





「あ、柚空、帰るのか?」




「うん。じゃーね、いっちー」




そのまま立ち去ろうとしたら




「ちょ、ちょっと待って!
その“いっちー”ってなに?」

って呼び止められた


クラスの大半が今日あったばかりの先生を勝手にいっちーってあだなつけてたもんだから咄嗟に呼んでしまった





ま、いっか




「もークラスのみんないっちーってあだなをつけてたよ!
まー先生ってがらじゃないしね!」





「おぃ、最後のは余計。気にしてんだから」





気にしてたんだ(笑)




「柚空ー!遅い!」





先について待ちくたびれたのか楓がお出迎え




「あ、いっちーばぃばぃ!」




「おぃ」





呆れ顔のいっちーを見てクスッと笑って
しまった