「どうして息子さんに?息子さんに聞くことなんかありませんよね」 しかし当麻はあきれたように首を横に振った。 「考えてみろ。和樹さんは今、受験生。夜は家にいると考えたほうが自然だ。もしかすると、知っているかもしれないだろ?」 「何を?」 「香織に内緒で紀之が連れ込んだ、倉敷麗奈をだよ。」 やっと合点がいった。