日向と応接室を出ると社員が皆、こちらを見ていた。

……照れくさい。

「みんな!今日から新しく仲間となる山中優衣さん!!」

「や、山中優衣です。よろしくお願いします」

優衣が頭を下げると一斉に拍手が響き渡る。

頭を上げるときふと、一人の男が目に飛び込んできた。

先程のキャスター椅子の男。

テーブルに突っ伏して寝ている。

優衣の目線の先に何があるか気付いた日向は男の頭を叩いた。

男が気だるげに体を起こす。


「この男はこの探偵社の社長であり、優衣ちゃんの会いたかった現代の明智小五郎でもある森田当麻(もりたとうま)よ。」

「え!?」