優衣の疑問を読み取ったように日向が紹介した。 「この人は財津陽太(ざいつようた)さん。事務所の隣の寿司屋の板前さんなの。」 そういえば、事務所の隣に寿司屋があった。名前はたしか、銀太郎。 「それでお兄ちゃんと同級生でね。お兄 ちゃんも財津さんの握る寿司が大好きで度々注文してるのよ。ね!」 「ああ。当麻、自分で行動するの嫌いだからいつも俺がここに来るんだよ」 財津が椅子にもたれている当麻をみて言った。