「えっ?なんで……」

「お兄ちゃんを前に進ませてくれた。生きる力を与えてくれたのは、優衣ちゃんよ。」

足をとめると、日向は優衣の手を握った。

「お兄ちゃんを……支えてあげてね」

真っ直ぐにみつめるその瞳は美しく、透き通っていた。

「はい。約束します」

優衣は日向の手を握り返した。