6 当麻は炎の中にいた。 あいつは逃げたようだな。 当麻は炎をパーカーで振り払い、倒れている和樹と脇田に駆け寄った。 「脇田さん、逃げましょう」 「……いえ。私は残ります」 「和樹さんは、もう死んでいます。あなただけでも生きてください。」 当麻が説得するが、脇田はただ首を横に振るだけだった。 「私は……和樹様を残して行くことはできません。私は和樹様と共に死にます」