当麻は炎の中にいた。

あいつは逃げたようだな。

当麻は炎をパーカーで振り払い、倒れている和樹と脇田に駆け寄った。

「脇田さん、逃げましょう」

「……いえ。私は残ります」

「和樹さんは、もう死んでいます。あなただけでも生きてください。」

当麻が説得するが、脇田はただ首を横に振るだけだった。

「私は……和樹様を残して行くことはできません。私は和樹様と共に死にます」