「日向さん……」

日向の他にも財津、皆藤、富山がいる。

「消防を呼んだから安心して。あなたが行くことない。」

日向が鋭い目付きで優衣をみた。

「でも、社長がまだ中に……!到着なんて待ってられません」

「行かないで!あなたが行ったところで、お兄ちゃんは助かるの!?」

「……でも」

たしかに、日向の言う通りだ。
優衣は燃え盛るガレージを見上げた。

炎は家全体を呑み込んでいく。