警視庁の駐車場を出ていく皆藤と富山を見送ると、笑顔だった彼女の顔がすぐさま無表情に変わった。

白衣のポケットからタバコを取りだし、火をつける。

「なにが、『麻都佳ちゃん』だ。馴れ馴れしいっつうの」

麻都佳はタバコをくわえると白衣を翻し、警視庁に戻っていった。