「……まさか。ナビ使えないんですか」
「いや。俺はナビを日頃使わないだけだ。だから扱い方というものを知らない」
それを「使えない」と言うんだ。
優衣は「貸してください」とナビを手際よく扱う。
マップの検索欄を押し、当麻に視線を向ける。
「それで?なんて検索するんです?」
「ここらで高級の魚屋だ。元は寿司屋で魚を売っている……名前はたしか、『雄太郎』。」
検索欄に「雄太郎」と入力する。
すると、ここから2kmの位置に雄太郎はあった。
当麻はそれを確認すると、車のスピードをあげた。
「脇田さんのアリバイ確認をする。」
「でも……脇田さんには動機が……」
いまのところ、脇田には動機が見当たらない。
「それも確認する予定さ」
当麻が優衣に自分の携帯電話を放った。
「日向に連絡してくれ」