5 当麻は駐車場に車を停めると、てっぺんが見えないほど高いホテルを見上げた。 紀之の経営していたロストホテルにやって来た。 ホテルは宿泊客もいるし、簡単に臨時休館できない。 当麻は自動ドアをくぐり、フロントに向かった。 広いロビー。黒の光沢のあるソファが長テーブルを挟み、何個も置いてある。 きらびやかなシャンデリアが、まず目に飛び込んできた。 フロントには客が並んでいて、混雑している。