「……どうも」

当麻に褒められるとなぜか気味が悪い。

優衣は簡単に受け流すことにした。

ふと、当麻をみるとなぜか黒縁の眼鏡をかけて資料に目を通していた。

「あれ?社長、眼鏡……」

「ああ。俺、普段コンタクトなんだよ」

視線は資料に向けたまま、答える当麻。

「へえ。知らなかった」

「当たり前だ。言ってない」

どうして棘のある言い方でしか、返すことができないのだろう。

不満に思いながらも優衣は資料の説明を始めた。