「たしか、男が浮かんでいた。」

「男……。海に浮かんでいたって事は溺死?」

優衣が言うと当麻が「おそらくな」と大あくびした。

「……あと。声が聞こえた。」

当麻が思い出したように呟いた。

「声……ですか?」

「ああ。ハッキリとは分からないが二回聞こえた。一回目は『たすけてくれ』。二回目は……誰かをたすけてくれって聞こえた。」

「誰か?誰かって誰です?」