3 気が遠くなる作業。 時刻はもう夜の11時を越えていた。 初日から残業。何やってるんだ、私は。 「山中さん」 「あ、はい!」 残っていた社員に声をかけられる。 「私はもう帰りますけど、山中さんは?」 「私は……。まだ残ります。」 「そうですか。頑張ってください。」 「ありがとうございます。」 パタンとドアが閉まり、優衣は背伸びした。