「でもよく入れてくれたわね」

「え?」

「だって普通入れないわよ。誰だか分からない面識のない人なんて。SPがいるような家じゃなおさら……」

そういわれてみれば。
優衣は後部座席を振り返った。

当麻は聞いているのか、いないのか。
無表情で窓の外を眺めている。

「何か目的があったんでしょうか。」

「さあ。でも、そうなると気を付けていた方がいいわ。私たちの相手は殺人犯なんだから。」

太陽の光に照らされる日向の顔が見たことがないほどに真剣で、優衣は背筋がぞくっとした。