「あっ……」

優衣は浮気調査でみた時と同じ執事で思わず、声をあげた。

「どうかなされましたか?」

柔らかい物腰で執事が聞く。

先程のインターホンに出た人はおそらく、この執事だろう。

白髪の髪に黒ぶちの眼鏡。優しそうに糸のような目が微笑む。

「いえ。何でもないです。」

「そうですか。森田様。山中様。執事の脇田貞二(わきたていじ)と申します。」

脇田は深く頭を下げた。