「お前、家どこ?」
後ろにいた伊吹が尋ねた。
「へ?......北駅から10分くらいのところだけど............。」
「わりい蒼井。今日は送れねえ。こいつ家まで送るから。」
「え......どうやって......。」
すると伊吹は、畑中さんに、背中を向けてしゃがんだ。
これって............
「おんぶ?い、いいの?」
「ん。足怪我してんならしゃあねえだよ。」
伊吹がそう言うと、畑中さんは顔を赤くしながら伊吹の背中に乗っかった。
そして、畑中さんをおんぶした伊吹は立ち上がって、北駅へと歩き出した。