「伊吹、今日全部1位だったね!足速い人は違うなあ~。」





「運動は得意だからな、俺。」





「へ~!じゃあ何が一番得意?」





「全部。」






全部って......






「んなわけないでしょ~!苦手なスポーツとかないの?」






「ないね。全部できる。」





わお、大した自信だこと......。





「そうなんだ!私は苦手なのたくさんある!マラソンでしょー、跳び箱でしょー、それから「あのさ。」」





いきなり立ち止まって、伊吹はうつむきながら言った。





「......どうしたの......?」





「お題の紙......なんて書いてあった?」





お題の紙......?





春輝のやつのこと?






「あ、ああ!あれ?好きな人!春輝、好きな人いないから、私のこと連れてったんだよ。なんたって私は春輝の一番の大親友だもん。......それがどうかした?」






伊吹は、まだうつむいていて、何かを考えているようだった。