「じゃあ私、弟のお弁当の食材、買いにいかなきゃいけないから。」
「あ......うん!気をつけてね。」
私が帰ろうとすると、お好み焼きやさんのドアから急いだ様子の小山くんが出てきた。
「あっ蒼井ちゃん!美生ちゃん、もう帰っちゃった?」
「え......ついさっきあっちに歩いてったばっかだけど......」
「わ、わかった!ありがとう!じゃあまたね!」
小山くんはそう言って、急いで美生の、あとを追いかけた。
どうしたんだろ、小山くん。
私は不思議に思いながら再び歩き始めたとき、
バッ!!!
誰かに腕を掴まれた。
びっくりして後ろを振り返ると、少し焦った様子の伊吹がいた。