陣地に戻ると、いろんな人に質問攻めされた。
お題はなんだったの!?とか、どうして蒼井さんだったの!?とか......。
誤解されそうだったから、上手く交わしたけど......。
そのまま順調に体育祭は進み、見事、赤組が勝利した。
3年生の中には涙を流す人もいて、私も2年後は泣いてたりするのかなあって想像してみたりもした。
多分美生は泣かないけど。
閉会式を終えて、片付けをしていると、向こうに、見覚えのある女の子たちが数人こっちを見ていた。
あの人たち..................
間違いない。私を倉庫に閉じこめた人達だ。
私は、その人達に駆け寄った。
「私、ああいうやり方は絶対間違ってると思う。私を閉じ込めても、伊吹や春輝は振り向いてくれないよ。振り向かせたいならもっとアピールすればいいじゃん。汚い手を使って振り向かせたところで、それは本当の幸せじゃない。もっと正々堂々と勝負しなよ。」
私が心から思っていることを、そのまま伝えた。
女の子達の一番前に立っていて、多分リーダー的存在の女の子が、口を開いた。
「......あなたみたいな人、大っきらい。」
たったその一言だけ言って、校舎の方へ行ってしまった。
............はあ。
疲れた。
「今のが、奏を閉じ込めた人達?」
いつの間にか後ろにたっていた美生が言った。
「うん。......教室行こっか。」
「......。そういえば、小山がHR終わったらクラスのみんなで打ち上げやろうって。行く?」
クラスのみんなで!?
わあ!すっごく楽しそう!!!
「行きたい行きたい!!でも、みんな集まるかなあ。」
「うーん、無理そうよね。」
私も美生も、みんなは無理だろうと諦めていた。
が。
小山くんが教室でそのことを言うと、みんな賛成して、見事全員で打ち上げに参加することができた。
小山くん、こういうのすっごい得意なんだもんね。