確か小山くんは伊吹のことを......。





これは後で確認してみる必要があるね。





「あ、春輝だ。」





美生が前を見てつぶやいた。






「えっどこ?」





私も美生の目線をたどって見てみると、競技中の春輝の姿があった。





どうやら借り物競走らしい。





1枚の紙を拾って、真っ先にこっちに走ってきた春輝。





「奏ちゃん!!!」





えっ!?私!?





「えっ!?ちょっ............」





混乱してる私の腕を引っ張り、ゴールへ一直線。





「はあっ............はあっ......やった!1位だ!」





そう言って喜ぶ春輝。





私も、足の早い春輝に引っ張られて、息がかなり上がっていた。




「はあっ......と、ところでなんだったの?お題......!」





私の質問に、春輝はもう片方の手に持っていたお題の紙を見せてくれた。





............!!!!!





「好きな人。奏ちゃんしかいないと思って。」





「私!?あはははっ」





少し驚いたけど、すぐに笑いがこみ上げてきた。





「よかった。おかしい人とか、変わってる人とかだったらどうしようかと思って。」





「それだったらクラスの男子にぴったりのいるからそいつ連れてきてたよ。」





「でも、私でよかったかも。もし別の女の子連れてってたら、私怒ってたよ。私に紹介もしないで!って。」





「え?」






「もし本当に好きな人ができたら、私に一番に言ってね!春輝の大親友なんだから!」





「あ......う、うん。」





「じゃあ私戻るね!」





私はそう言って、陣地に戻った。