「春輝......?」
「......ははっ。やっとわかってくれた。」
春輝は、可愛い笑顔で笑った。
「え......だ、だって、10年も会ってなかったし......すぐわかるわけないよ!!!」
「俺はすぐにわかったけどね?」
え、そうなの......?
「ご、ごめん......。」
申し訳ない......。
「ははっ、いいよ、別に。気にしてないし。それにこうやって、また奏ちゃんと話せたしね。 」
春輝はそう言って、わたしの頭を撫でてくれた。
話したいことや、聞きたいこと、たくさんある。
でも、今は混乱してて、何から話せばいいのか、聞けばいいのか、わからない。
会えた嬉しさで、涙が出てきた。
「わわ!泣くなよ!!!!俺が悪いみたいじゃん!!!」
ううっ......そんなこと言われても、涙が止まらないから、仕方ないじゃん......
「ううっ......ひっく......そうだよ。春輝が全部悪い。ううっ......私に何も言わないでどっか行った春輝が悪い。」
「......ごめんね。」
切なそうな顔をして謝る春輝。
そっと抱きしめてくれた。
昔は私より小さかったのに、今じゃ全然そんなことなくて、春輝の方がすっごく大きい。
そんな春輝に私はすっぽり。
抱きしめられたのは驚いたけど、すごく心地よかった。