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季節がまた過ぎ、本格的に夏になった。
クラスの全員が真っ白な半袖のシャツを着ていて、そこから見える腕は人それぞれだが、皆焼けていた。
「ふうー、あの人ともう2週間喋ってないよ?」
「風優にも考えがあるんでしょうよ。てか、あいつ結構むっつりなんだね」
右隣には、那都が。
左隣には、茉緒が。
「なんか、いまさらっていうか・・・茉緒が言ったら本気で怖いから・・・」
その二人に囲まれ、現在話題になっている慧の席をちらっと見る。
風になびく漆黒の髪。
気だるそうに肘をつき、周りと少し変わったオーラを放つ。
・・・怒ってるように見えるのは、私だけかな。
まあ、話しかけられそうになると全力で逃げてるから、怒っても当たり前か・・・
「ふう?」
「ん?」
那都が私を呼ぶ声が聞こえ、那都のほうに振り返る。
「あー、もう聞いてなかったでしょ?」
「え、ごめんごめん。なあに?」