20分後。
日誌を無事に職員室の前の集配ボックスに入れ、そのまま脱靴場に。
茉緒と那都も私の両サイドにいて、3人で世間話をしている。
「ねえ、そろそろ蒸し暑くなってきたし、もうすぐ梅雨じゃん?」
生暖かい風に髪が弄ばれる。耳にかけながら、茉緒の話を聞いた。
「たしかに。」
那都が頷き、「ブレザー暑いし明日から着るのやめようよ」といった。
「「それ思った!」」
茉緒と私の声が見事にハモり、顔を見合せてくすくす笑う。
「ハモるねー」
那都も楽しそうだ。
そして正門を出て、分かれ道。
私は団地のほうへ、茉緒と那都は逆方向へ帰る。
「じゃあ、また明日ね!」
二人に手を振ると、「じゃーねー!」「また明日ね!」と手を振りかえしてくれた。
そのまま土手を突っ切るように走っていく。