「まあ、どうせ今日も待ち伏せされてるわよ」
茉緒が割って入ってきて、腕組みをしながら私に言った。
「だよね・・・あー。日誌なんてあるから」
「じゃ、俺部活行くから!」
準備が終わったのか、武田君は重そうなバッグを肩から下げて走って教室を出て行った。
さて、と意気込み、日誌を開きながら今日あったことを思い出す。
今日って忘れ物なかったよね。
5時間目の移動教室が急に入ってきたのは忘れ物に入れないって言ってたし・・・。
筆箱からシャーペンを取り出し、思いついたことを書いていく。
「相変わらずあいつも健気よねえ」
ふと、茉緒がため息交じりに言った。
「健気?なにが?部活?」
「・・・なんでもないわよ。ほら、ちゃっちゃと日誌書いて早く帰りましょ」
「・・・?うん」